女性・若者・シニア創業サポート融資とは?

日本ではなかなか起業文化が育たないと言われていますが、女性や若者・シニア世代の人たちが積極的にビジネスを立ち上げられるように支援する融資制度もあります。

日本政策金融公庫では、新規開業資金の制度で、「女性、若者/シニア起業家支援関連」というものがあります。また、東京都で創業する方には別途、「女性・若者・シニア創業サポート融資」というものがあります。ここでは、主に「女性・若者・シニア創業サポート融資」について解説したいと思います。

創業先生
東京都が行っている制度融資として、「女性・若者・シニア創業サポート事業」というものがあります。
起業太郎
それはいいですね!どこで起業しても利用できるんですか?
創業先生
いいえ。残念ながら東京都内で創業した方に限ります。
起業太郎
では、東京以外で創業する人はどうすればいいんでしょうか?
創業先生
その場合、公庫にも「女性、若者/シニア起業家支援関連」というものがあります。
まずは簡単に解説しますね!

公庫の「女性、若者シニア起業家支援関連」融資とは?

日本政策金融公庫の新規開業資金融資として、「女性、若者/シニア起業家支援関連」というものがあります。

対象は、「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方」となっておりますので、創業者の方を対象とした融資となっております。

その中で、

  1. 女性
  2. 35歳未満の若者
  3. 55歳以上のシニア

上記の方を対象とした支援制度となっています。

女性であれば年齢に制限はありません。また、35歳未満または55歳以上であれば、男性も対象となります。

なお、「新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」に限ります。

以下は概要となります。

資金の使いみち  新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金(注1)
融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間(設備資金)     20年以内<うち据置期間2年以内>
返済期間(運転資金)7年以内<うち据置期間2年以内>(注1)
利率(年)女性の方、35歳未満または55歳以上の方特別利率A(土地取得資金は基準利率)。ただし、以下の要件に該当する方が必要とする資金はそれぞれに定める特別利率。

技術・ノウハウ等に新規性がみられる方(注2)[特別利率A・B・C](土地取得資金は基準利率)

地方創生推進交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める方[特別利率B](土地取得資金は基準利率)

地方創生推進交付金を活用した起業支援金および移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める方[特別利率C](土地取得資金は基準利率)

※ご融資後に利益率や雇用に関する一定の目標を達成した場合に利率を0.2%引下げる「創業後目標達成型金利」については、こちらをご覧ください。
担保・保証人お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。

(注1)「廃業歴等があり、創業に再チャレンジする方」は、前事業に係る債務を返済するために必要な資金もお使いいただくことができ、運転資金は15年以内(うち据置期間2年以内)までご利用いただけます。

(注2)次のいずれかの事業を行う方が対象となります。

  • 他企業において利用されていない知的財産権に係る技術を利用して行う事業
  • SBIR制度における指定補助金等または特定新技術補助金等の交付決定を受けて、開発した技術を利用して行う事業
  • 新規中小企業者(エンジェル税制の一定の要件を満たす方)が行う事業
  • J-Startupプログラムに選定された方(一定の要件を満たす方に限ります。)が取り組む研究開発やその事業化に関する事業または国の技術ニーズに関するフィージビリティスタディ調査等を踏まえて研究開発に取組む事業

女性・若者・シニア創業サポート融資

女性・若者・シニア創業サポート事業とは、東京都が行っている制度融資のひとつになります。

制度融資とは?

制度融資とは、自治体と信用保証協会、指定金融機関の三者が協調して行う融資制度で、中小事業者が金融機関から融資を受けやすくする制度のことです。

詳しくはこちらをご参照下さい。

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2022.04.22

事業について

地域に根差した創業を支援する融資と経営サポート事業であり、東京都内の女性・若者・シニア創業者であれば、原則として対象となっております。

「融資と経営サポート」がセットになったプログラムであり、セミナーを受講したり、経営に対するアドバイス、事業計画の作成サポートも受けられるのが特徴です。

対象者
  • 女性、若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)で、創業の計画がある者又は創業後5年未満の者(代表者)
  • 個人事業主、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人 等
  • 東京都内に本店又は主たる事業所を置く創業事業であること
  • 地域の需要や雇用を支える事業であること
    1. 創業規模は中小企業者の範囲に合致し、大企業が実質的に経営を支配していないこと
    2. 公序良俗に問題のある事業、風俗営業などでないこと
    3. 現在かつ将来にわたって暴力団等反社会的勢力に該当しないこと
    4. 法令等で定める租税についての未申告、滞納がないこと
    5. ※個人で創業し、同一事業を法人化した者で、個人で創業した日から5年未満の者も含まれます。
      ※本事業の取り扱いは、令和16年3月までとなります(融資実行は令和6年3月まで)。
      ※複数金融機関から本事業の融資を受けることはできません。

    若者の定義が、日本政策金融公庫の制度と異なるので、ご注意下さい。

    融資条件

    次に融資条件ですが、取扱金融機関と協調して行う制度ですので、金額、利率、返済期間などの詳細な設定は、融資を出す金融機関によって異なります。

    そのほか、概要としては

    融資限度額1,500万円以内(運転資金のみは750万円以内)
    利率(年)固定金利1%以内
    ご返済期間10年以内(うち据置期間3年以内)
    担保無担保
    保証人法人…代表者個人または不要
    個人事業主…不要

    となっております。

    なお、融資金額、利率、返済期間などの諸条件は、前述のとおり取扱金融機関によって異なりますが、あくまでも上記の表の範囲内となっております。

    融資までの流れ

    融資を申込む手続きにあたっては、地域創業アドバイザーの支援を受けることが特徴的です。

    手続きの流れ
    1. 取扱金融機関に相談
    2. 当事業のセミナーを受講
    3. 指定の書式で事業計画を作成
    4. 取扱金融機関を訪問
    5. アドバイザーの紹介を受ける
    6. アドバイザーとの面談
    7. 取扱金融機関に融資申込
    8. 融資審査
    9. 審査に通過すれば、融資実行

    事業計画作成のセミナー

    前述のとおり、「女性・若者・シニア創業サポート事業」は、融資だけでなく、経営相談や事業計画作成のサポートがある点が特徴です。

    まずはセミナーを受講し、事業計画の作成方法を学ぶことがいいでしょう。

    その後、ご自身で事業計画を作成することになりますが、取扱金融機関によっては、事業計画の書式が決まっているので、注意が必要です。